建設業許可申請イメージ

建設業で行われる契約は、規模も大きく長期間にわたって竣工されるため、その契約者同士の信用によって成り立っています。
こうした側面を受け、建設業の許可を申請するものは、その誠実性について審査を受けることになります。

審査を受ける対象

個人の場合:事業主、支配人、営業所の代表者
法人の場合:当該法人、非常勤を含む役員、支配人、営業所の代表者

誠実性についての定義と審査

誠実性というのは、法律上は「請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らか(建設業法第7条3号)」であるかどうかです。
しかし、この表現は抽象的で、請負契約に関する不正や不誠実な行為の内容について、定義されているわけではありません。
それだけではなく、「するおそれ」であることから、不正や不誠実な行為の事実がなくても、そのような行為をするおそれが明らかだと判断されれば、審査によって不許可とすることが可能です。

このような審査内容であるため、具体的な審査内容までは各行政庁が明らかにしておらず、概ね以下のような考え方に基づいています。

・不正な行為:詐欺、脅迫、横領、文書偽造等の法律に違反する行為を請負契約に関して行うこと
・不誠実な行為:工事内容、工期等の契約内容に違反すること

一部の行政庁は、具体的な例を示しており、以下は許可が下りないとされています。

・暴力団の構成員、または暴力団に支配されている場合
・建築士法、宅地建物取引業等の規定により、不正または不誠実な行為で免許等の取消し処分を受けてから5年経過していない

ただし、あくまでも例であって、決して上記が全ての審査要項ではありません。

また、暴力団の排除については、従来よりも厳格に審査されており、警察への照会によって許可申請者の暴力団との関わりが調べられます。
以前は必要に応じた照会であったものが、全件について照会する運用になっている行政庁もあるので、許可申請から許可までの時間が余計にかかると考えられます。
許可申請は十分に余裕のある日程で行わなければならず、許可を前提に契約の話が進んでいる時には注意が必要です。

なお、誠実性の審査は、欠格要件とも深く結び付いており、欠格要件の多くは、許可申請者に不正や不誠実がある場合です。
欠格要件に該当すると、誠実性の審査以前に許可が下りないため、必ず欠格要件も確認しておかなくてはなりません。