経審イメージ

経営事項審査は、経営状況分析(Y)と経営規模等評価(X,Z,W)に分かれているため、それぞれについて受ける手順があります。
また、直前の決算日を審査基準日とするため、決算が済んで財務諸表を提出できる状態にならないと始められません。

1.確定申告をする

個人においては1月1日から12月31日が事業年度であるため、2月16日から3月15日までに確定申告を済ませます。
法人においては個人よりも猶予が短く、決算から2ヶ月以内と決められています。

2.決算変更届を提出する

事業年度における決算変更届を行政庁に提出します。
決算変更届が経営状況分析と順番を前後することは問題なく、経営規模等評価を受ける前に両方を済ませておきます。
決算変更届は決算から4ヵ月と決められているため、4ヵ月の間に確定申告と決算変更届を済ませなくてはなりません。

3.経営状況分析を受ける

経営状況分析は、国土交通大臣登録の経営状況分析機関が行いますので、分析機関に対して経営状況分析の申請をします。
経営状況分析の結果は、経営状況分析結果通知書として受け取ります。
経営状況分析にはそれほど時間は掛からず、追加の資料請求などがなければ、各分析機関とも3営業日から10営業日程度(郵送の日数含まず)で通知されます。

経営状況分析は、行政庁が行う経営規模等評価において必須要件ではありませんが、競争入札参加資格審査においては、経営状況分析結果と経営規模等評価結果から求められる、総合評定値という値を格付けに使用します。
この総合評定値を行政庁に請求するためには、経営状況分析結果通知書が必須となるため、事実上、経営状況分析は受けなくてはならないのと同じような状況です。

4.経営規模等評価を受ける

決算変更届の提出によって、経営規模等評価を受けることができ、経営規模等評価は建設業の許可行政庁が行います。
総合評定値の通知を請求するときは、予め経営状況分析を受けて経営状況分析結果通知書を受領していなくてはなりません。

必要なら経営状況分析結果通知書を添付して経営規模等評価の申請を行い、1ヵ月から2ヵ月程度で経営規模等評価結果通知書を受け取ります。
経営規模等評価の申請と同時に総合評定値の通知を請求をしていれば、総合評定値通知書を受け取ることもできます。

総合評定値は、経営状況分析と経営規模等評価の結果から求めることが可能ですが、許可行政庁において経営規模等評価と総合評定値の通知は切り離されており、請求が無ければ通知はされません。
しかし、総合評定値通知書は、公共工事の発注者から提出を求められることが多いため、経営規模等評価結果通知書と総合評定値通知書の両方を許可行政庁から受け取っておくほうが無難です。

なお、経営規模等評価の申請は、大臣許可であっても都道府県が経由事務を行っているので、許可にかかわらず申請先は都道府県の窓口になります。